深刻な食品ロスの問題
まだ食べられるのに、捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス」といいます。
食品ロスが発生する理由は食べ残しや売れ残りなどさまざまですが、地球全体では年間13億トン、日本でも約612万トンが廃棄されています。
この612万トンという量は東京ドーム約5杯分、国民一人当たりに換算すると毎日お茶碗1杯分に相当し、それだけの食料を捨てていることになります。
食品ロスはSDGsでも大きく取り上げられており、ターゲット「12-3」として、2030年までに、お店や消費者のところで捨てられる食料(1人当たりの量)を半分に減らすことが掲げられています。
消費者庁が平成29年に徳島県内で実施した実証事業の結果では、まだ食べられるのに捨てた理由として、①食べ残し57%、②傷んでいた23%、③期限切れ11%(賞味期限切れ6%、消費期限切れ5%)の順で多いことが分かっています。
企業やお店だけでなく、私たち一人ひとりが日常生活の中で食品ロス削減に取り組むことがとても大切です。
すぐにたべるなら「てまえどり」
こうした食品ロスを削減するため、小売店舗が生活者に対して、商品棚の手前にある商品を選ぶ「てまえどり」を呼びかける取り組みが、2021年6月からスタートしました。
農林水産省が主導し、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会、消費者庁、環境省と連携して推進しています。
また、2022年の流行語大賞でトップ10にランクインするなど、その取組の輪が広がってきています。
「てまえどり」キャンペーンを展開
徳島市では、2022年7月より消費者庁や徳島県と連携し、本市独自の「てまえどり」キャンペーンを展開しています。
包括連携協定を締結しているセブン-イレブン・ジャパンや生活協同組合とくしま生協、イオンと連携し、消費者の皆さんに「てまえどり」を呼び掛けるPOPを設置しています。
消費者のためにもなる「てまえどり」
「てまえどり」については、店舗の過剰仕入れこそが問題であり、消費者にその責任を転嫁すべきではないという意見もあります。
確かに店舗側が販売機会の損失を恐れ、過剰に仕入れを行ってしまっているという実態はあるかもしれませんが、そのおかげで私たち消費者がいつでも商品を手にすることができていることも事実です。
また、廃棄ロスの増加や販売機会の損失などにより店舗側の売り上げが下がれば、最終的には価格転嫁という形で私たち消費者に影響が出ることも考えられます。
つまり「てまえどり」は、決して店舗側のためだけに行う行動ではなく、最終的には私たち消費者がいつでも最適な価格で、品切れを気にすることなく商品を買えるようにするためにしている行動でもあるのです。
一人一人の行動が未来を変える
「てまえどり」は、誰もが日常生活の中で取り組めるSDGs活動です。
食品ロスを減らすため、あなたも今日から「てまえどり」をはじめてみませんか!